猿の惑星

ラストシーンの衝撃。倒れている自由の女神を見て、不時着陸したのはどこかの惑星だと思っていたのが、実は地球だったと分かるあのラストは凄い。

猿に支配される=白人が有色人種に支配される、という危機感。
それを訴えたかったのだろうか。

とにかくラストが衝撃だったので、そこからまた何度か観直してしまう名作。

素晴らしき哉、人生!

自分の過失ではなく、大金を失い自殺をしようとする主人公の前に現れた天使。
自分が存在しなかった場合の世の中を見せられ、如何に恵まれた人生を送ってきたかを知る主人公。

前半部分でたっぷりと幸せな主人公を描き、その後の苦悩につないでいるからこそのリアリティだ。

絶望的に悲観する状況であっても、人生を肯定する事の素晴らしさを感じさせてくれる、素晴らしい映画だ。

七人の侍

黒澤明監督の、世界に冠たる名画。
「勝ったのは俺たち侍ではない。あの百姓たちだ!」という最後の台詞は物凄くインパクトがあった。
野武士と戦ってくれる侍を集める為に難航しながら、最終的に7人の侍を集めたきっかけは、村人たちが作った。

平和が戻ってきた事で、安堵している村人たちを見て、守るべきものは何の変哲も無い日常なんだという事なのだろうか。

カメラ使いや役者の演技の素晴らしさも、この映画の特徴の一つ。脇役である筈の村人たちまで、個性豊かで迫真の演技を見せる。

ところでハリウッド映画の「荒野の7人」は、この「七人の侍」のリメイク。そうした事からも黒澤監督の描く世界観の大きさが分かる。

海外でも自国のものも含めて最高の映画だという人は多いらしく、この映画のスケールの大きさは日本人にとって誇りとして良いと思う。

 

ブラック・レイン

松田優作の遺作となった映画、ブラック・レイン。

大阪を舞台に繰り広げられるアクション。
マイケル・ダグラスやアンディ・ガルシアと遜色の無い演技をし、松田優作が世界へ飛び出した映画だったのだが、既に癌に侵されていた彼は、この映画の公開前に亡くなってしまった。

松田優作演じるヤクザ、佐藤の鬼気迫る表情に思わず魅せられてしまう。

潮風のいたずら

高慢だった富豪夫人の女性が記憶を失い、かつて難癖つけて代金を支払わなかった大工に連れていかれ、家事をやらされる。

そんな生活の中で次第に優しさを備えていき、大工の子供達には本当の母親の様に愛情を持って接する様になる。

やがて夫が現れると一気に記憶が戻り、後ろ髪ひかれる思いで元の生活へ。それでもやっぱり、戻ってきた。
大工と子供達、本当の家庭に。

記憶を失う事によって彼女は新しい自分と出会い、成長していったのだろう。そして記憶が戻ってからも無くなる事はない、本当の人生を手に入れる事ができた。

ハッピーエンドが読める展開ではあるが、素晴らしい映画だ。

生きる 黒澤明

毎日形式的な仕事のみをし、無気力な日々を送る主人公。
ある日体調が悪く、検診を受けたところ胃がんで余命いくばくもない事を知る。
絶望の中で酒場などに出向き楽しみを見つけようとするが、シックリ来ない。

そんな状況の中、住民が熱望していた公園づくりに残りの命を燃やし、急に人が変わった様に働き出す。
そして最後は完成した公園のブランコに揺られながら、死んでいく・・・

葬式での同僚たちの会話シーン、明日からは自分達も力の限り仕事をしよう、と酔いながら誓い合うものの、翌日はやっぱりいつもの様に形式的で変わりの無い日常となる。

人はそう簡単に変わらない、それもまた「生きる」ことの側面なのだ。

黒澤明監督の作品の中ではひときわ地味なストーリーの映画だが、「生きる」とは何か、という無言の問いかけをされている様で胸に響く。

 

ペーパームーン

母親を事故で亡くしたばかりの9歳の少女(アディ)と、聖書を売り歩く詐欺師の男(モーゼ)の奇妙な旅。
憎まれ口をたたき合いながら、行く先々でビジネス(聖書売りの詐欺)を展開し、アディの機転でうまくいったりもする。

いつしかアディはモーゼを本物の父親の様に感じる様になる。

例えそれが紙の月であっても、信じれば本物に変わる。
スタンダードソングであるIt’s Only a Paper Moonの世界が根底にある、感動のロードムービーだ。