普通の人々

『普通の人々』は家族の断絶の問題を真摯な態度でわかりやすく描かれている。シカゴ郊外の弁護士の一家。半年前に長男が水死事故を起こして以後、父、母、次男の悩みが露呈し、心がちぐはぐになり、家庭は崩壊していく。気の弱い父親、冷淡で他人と協調できない母親、繊細で感受性豊かな次男で構成されるホーム・ドラマ。

かつての米国映画は、郊外の高級住宅街に立派な邸宅を構えるWASPの上流中産家庭を理想的に描いたものだが、いまやその家庭は機能不全で崩壊している。

似たようなテーマとしては『アイス・ストーム』(1997)や『アメリカン・ビューティー』(1999)でも描かれている。後者は監督したサム・メンデスも本作を意識したと語っており、オマージュとして本作で使われたクローゼットと同じものを『アメリカン・ビューティー』の終盤に登場させている。