西部戦線異状なし

1930年のアメリカ映画。

第一次世界大戦中、ドイツのとある学校。生徒たちに愛国心を説く老いた教師。生徒たちも進んで入隊を志願し、愛国歌「ラインの護り」を歌いながら教室を後にする。ポール(リュー・エアーズ)はケンメリッヒ、気弱なベームと同じ内務班に配属された。新参兵をしごくのは、本職は町の郵便配達員で、応召して軍に復帰したヒンメルストス軍曹である。主人公たちは泥沼になった地面を匍匐するといった激しい訓練を経て、どうにか一人前の兵隊になる。戦場に送られた彼らをカチンスキー(ルイス・ウォルハイム)ら古参兵たちが温かくいたわってくれた。銃砲撃を受けて、仲間は次々と戦死していく。ポールは激戦中に砲弾穴へ落ちたが、同じ穴に飛び込んできた若いフランス兵をとっさに突き殺す羽目になる。そのフランス兵のポケットから彼の妻子の写真が落ち、ポールの胸は痛む。

負傷休暇をもらい故郷へ帰ったポールは、母校に立ち寄った。そこでは、相変わらず老教師が戦争を讃え、愛国心を説いている。ポールは教室で戦争の悲惨さを語ろうとするが、軍国主義の教師や生徒たちが期待したような功名談などしゃべれるわけもなく、彼らを失望させる。休暇が終わったポールは隊に戻り、仲間と共に知り合いになったフランス娘と楽しいひとときを過ごしたのもつかの間、カチンスキーが弾片を受けて戦死した。長雨の後の晴れた日、戦場は珍しく静かだった。ハーモニカの音が聞こえ、一羽の蝶が飛んできた。塹壕からそっと手を出すポール。その瞬間、銃声一発。敵狙撃兵の弾丸がポールの若い命を吹き消した。

“戦争”をドイツの視点から描いている傑作。

自分が刺し殺した敵兵が持っていた妻子の写真を見て嗚咽するシーンは、何度観ても泣ける。